御託はいいから00年代深夜アニメの話をさせてくれ③〜06年編〜

2006年。中学1年生。
中1というのは多くのオタクの中で転機の年だと思う。
中学入学を機に携帯やPCを買い与えてもらい満を持してインターネットの海に飛び込んだ者も多いだろう。私も本格的にネットに浸かり始めたのは中1からである。
その他にも単純に行動範囲が大きく広がる。子供だけで電車に乗って遊びに行くようになるのもこの時期からが大半だろう。その結果アニメイトなどに出入りするようになりオタクが猛スピードで加速していくのだ。
この時期のことを思い出したくない方々も多くいると思う。でも思い出してもらいます。

http://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=1593649

 

鍵姫物語 永久アリス輪舞曲


厨二病女はアリスが好きだ。オタク喪女はいい歳になってもアリスモチーフに心踊ってしまう。不治の病だ。
とにかく惜しい作品。というのもコンセプトからストーリーからローゼンと完全にカブってしまったのだ。そしてローゼンが強すぎた。

『アリス』と呼ばれる能力者同士が戦って敗者の『ページ』を奪い、本の完成を目指す…と聞いた時点であ〜ってなってしまうだろう。そしてローゼンと差別化するために微妙なお色気路線に走ってしまったのもまた悪手だったと思う。敗者はページを奪われる際に『知られたくない秘密』を暴かれてしまう、というシステム。これによりトドメを刺すシーンはさながら凌辱エロゲの様相を呈している。…と書いてて思ったのだがエロゲだったらワンチャンあったかもしれない…?介錯氏の絵は可愛い。


涼宮ハルヒの憂鬱


目を逸らすな。ハルヒは06年春アニメだ。15年以上経った今、お前たちは、私は、何か変わったのか?

ハルヒ。アニメで爆発的に人気が出たイメージなんだけどアニメ化以前のラノベ業界内評価ってどうだったんだろう?まあ人気だったからアニメ化したんだけども。

というのも私も放送始まってから知ったクチである。自語りになってしまうが、受験が終わってから部屋の模様替えをした。そして、勉強机の隣にコンポを置いた。元々クラシック好きでCDをよく聴くので、ということで置いてみたが「ラジオ聴きながら勉強するのって中学生っぽい!」という幼心でアンテナもセッティングした。
そしてチャンネルを適当に回していたらある番組と出会った。文化放送の『こむちゃっとカウントダウン』通称こむちゃである。パーソナリティーは不動の櫻井孝宏と当時は小清水亜美。名前の通り毎週の人気アニソン(ゲーソン・声優ソングを含む)をゲストコーナーを挟みながらランキング方式で発表していく番組である。

土曜日の夜はこれを欠かさず聴くのがルーティンだったのだが、ハルヒ放送時期は常にハルヒ(と平野綾)関連曲が永遠にランキングトップを占拠していた。そこで初めてそんなに人気なのか、と思い原作を手に取った。シャナと同じいとうのいぢ挿絵ということもようやく知りふーんと思いつつ読んだ。

…正直、原作の記憶がない。たぶん当時の既刊は大体読んだはずなのだがどうにも思い出せない。アニメの方は約一年後に発足したばかりのニコニコで散々ネタにされたのもあってそれなりに覚えている。そのあたりはやはり京アニパワーというかアニメの出来が優れていたのだろうと思う。

 

Strawberry Panic


今でこそ百合アニメというのは上質なものがたくさん出回っているが、当時は『百合アニメといえばマリみて』であった。マリみては俺ヴォイスでの知識しかないので、私の中での定番百合作品はストパニである。


当初からメディアミックス作品だったためどれから手をつけたか覚えていないがラノベは読んだ。

舞台設定が好きでしたね。ハリポタよろしく生徒の気質で三つの学校に分かれていて、主人公が属するグリフィンドールミアトル、クールビューティーが集まるレイブンクロースピカ、おっとり妹系が集まるハッフルパフル・リム。私はスピカ推しで天音様と光莉ちゃんのペアを応援していました。世間がハリポタパロに走るとき、私はストパニパロに走っていた。


余談ですが当時の女子校のイメージってまだこのタイプでしたね。私も女子校に進学が決まった時若干ドキドキしたけど入学一日でその幻想はぶち殺されたので安心した。2010年あたりにTwitterなどで『女子校はお嬢様の集まりなんかじゃねえぞ!!』と女子校の幻想をぶち壊すの、流行りましたね。うちも大体ああいう感じでした。暖房の上に濡れた靴下を干すな。


ひぐらしのなく頃に


目を逸らすな。ハルヒひぐらしは同期だ。
グロに興味が出始めるお年頃が食い付かない訳がない。これに関してはガンガンっ子であった私に分があった。同じく病をこじらせていた友人たちに「フヒ…ひぐらしって…知ってる…?」と布教して回る妖怪と化した。WING勢だったのでたしか綿流し〜目明かし編をリアタイで読んでいた気がする。とりあえず単行本一冊買って友人(金持ち)に貸したら数日後鬼+綿+祟のフルセットが貸し出された。錬金術か?

アニメ、黒塗りの記憶しかない。お色気アニメの謎の光や湯気にも動じなかった私がほとんど真っ黒じゃねーか!と憤った。最初からOVAでよかったんじゃない?


錬金3級 まじかる?ぽか〜ん


通称まじぽか。原作なしのオリジナルアニメなので特に知名度が低いと思う。
感想は「何この…何?」。人外少女4人による日常系コメディなのだが基本的にスベり気味で面白くなかった。そしてギャグアニメなのにOPは妖精帝國の『鮮血の誓い』。なんで?(一応劇中アニメのOPという設定)
鮮血の誓いは名曲だがこのアニメのOPということは臣民でも知らない人多そう。

アニメはアレだったがここで厨二音楽デッキ2枚目である妖精帝國が手に入ったので収穫はあった。そしてこの数ヶ月後に上記のこむちゃでサンホラを知り、無事アリプロ妖精サンホラの厨二音楽デッキが完成することとなる。
wiki見て知ったけど何気に劇伴上松範康氏なんですねぇ。

 

.hack//Roots


アニメ…は放送始まってしばらく知らなかったがアリプロを信奉していたので新譜出た経緯で知った。
人生で初めて自分のお小遣いで買ったCDが亡國覚醒カタルシスのシングル。入学祝いにおばあちゃんが買ってくれたウォークマン(ライターみたいな形のアレ、というと懐かしがる人もいるだろう。容量は今では驚きの1GB)に入れて毎朝通学中に聴きながら『アリカ様、今日も頑張りますのでどうかお護り下さい』と祈っていた。宗教。

それはさておきこの年の女オタク、みんな櫻井好きじゃん?(偏見)こむちゃ経由で色々アニラジ漁っていたらこの番組のラジオに辿り着いた。たしか日曜放送だった気がする。というわけで土曜はこむちゃ、日曜はRootsのラジオという感じで櫻井ボイスの摂取に勤しんでいた。


アニメ逃したなら原作やるしかねえ!と思ってGUを買おうとしたのだが『めちゃくちゃ難易度が高い』と聞いてヌルいRPGカービィくらいしかやったことなかった雑魚ゲーマーは泣く泣く諦めた。

.hackシリーズ、普通に履修したいんですよね。いつか再放送で見たSIGNのアニメも面白かったし。ゲームの方もPS4でリマスターされてるっぽいので今度やってみようかな。しかしアニメも含めるとどこから手を付けていいのかわからないので有識者の意見お待ちしております。

 

西の善き魔女 Astraea Testament


アニメから入ったけどめ〜っちゃ好きな小説のひとつ。原題は『西の善き魔女』のみ。西の魔女が死んだ』とよく間違えられる
田舎娘がひょんなことから王位継承者であることが発覚して——から始まるシンデレラストーリー…かと思ったらそんなこともなく社交界に入ったと思ったら旅に出たり急に謎の秘密結社が絡んできたりする児童文学寄りのファンタジー小説

女学院編が一番面白い。アニメもここまで。田舎娘が貴族のお嬢様ばかりが集まる修道院兼女学院に放り込まれて生徒会(笑)に目の敵にされハブられかけるも持ち前の気丈さで反抗し生徒会長に決闘を申し込む…というお約束ストーリー。だがそれがいい

文庫版は挿絵がなく登場人物のビジュアルが想像つきにくいので補完する形でアニメや漫画版を見ると一気に華やかになります。漫画はザ・少女漫画な絵柄。

 

ゼロの使い魔


おまたせ。シャナの項でも触れたけど一番読んだラノベ。王道異世界ファンタジーとしてはやっぱり原点にして頂点だよなぁ。
とはいえ結局シャナと同じく原作完走してないんですけど…。確かタバサ奪還編+タバサの冒険2巻あたりまでかな読んだの…。

推しはタバサ…のはずなんですがヒロイン戦争参戦してからちょっと嫌いになりました。とはいえゼロ魔はルイズと才人のカップル化揺るがぬ絆ができるのが早く、その後にヒロイン戦争参戦してきた者たちもアタックはすれど基本的に一歩引いた立場=ルイズには敵わないとわかっているので安心して見れた。初期のシエスタは嫌いでしたが身を引いて(ただし色仕掛けはやめない)からは好きになれたし。
というか初期からタバサとキュルケのコンビ(CPではない)が好きだった。キュルケも好き。典型的ないじめっ子キャラかと思わせて一貫していい子なのよね。そして恋多きビッチ乙女キャラなのに最終的にチートハゲこんなこともあろうかとおじさんコルベール先生に本気で恋するオチも良い。
かっこいいよね、コルベール先生。うだつの上がらないおじさんが裏方でサポート無双する展開はオタクみんな好き。そんな冴えないおじさんが昔は汚れ仕事のエキスパートだったっていう設定もみんな好き、ね?
…あれ?私の推し、もしかしてコルベール先生…………?

なぜかOP『First kiss』のICHIKO氏サイン入りCDがうちにある。

 

N・H・Kにようこそ!


『踊る赤ちゃん人間』、人生テーマソングにしてるんですけど22年現在使われている『赤ちゃんになる/なりたい(オギャる)』という概念をこの年に曲として発表しているオーケンはやっぱ天才

 

BLACK BLOOD BROTHERS


櫻井に釣られて。原作も最初だけ。
ほんとに最初だけだったな〜〜〜面白かったの…。
厨二向けにしたって設定ガチャガチャしすぎですね。今思い出すためにwiki見たら頭痛くなった。
似たようなタイトルなら同期のブラクラ見ろってな!ワハハ!そのうち履修したいと思いますブラクラ

 

乙女はお姉さまに恋してる


通称おとボク。原題は『処女はお姉さまに恋してる』。
ギャルゲはともかくエロゲ原作の全年齢アニメという概念がなかった、そんな頃の話。普通に学園ハーレムモノとして楽しく見てました。キャラデザ好みだったし。ノートに貴子さんの絵描いてた。
とはいえオリジナルアニメだとは思っておらず、「『原作:キャラメルBOX』…?聞いたことないな…」という違和感は抱えていた。うっかり検索しなくて本当によかった。

この頃はギャルゲ・エロゲ・ボブゲの地上波アニメ化やPS2などへの全年齢版移植がやたら流行っていた時期である。元々全年齢のギャルゲはともかく後者二つに関しては当時でも『エロが売りの作品からエロ抜いたら抜けなくなるやろがい』という感想だった。でもまあリア厨視点だとあと数年は買えない作品が今すぐ遊べる、という利点はあったが普通にあと数年我慢して存分に堪能した方がいいよな、という結論に至った。あの手の全年齢版って結局需要あったのか?

 

ローゼンメイデン オーベルテューレ


このあたりでようやくローゼンを履修し始めた。とはいえ旧版かつ何やら桃種と編集が揉めてるらしい、という時期。『編集がわざと原稿にコーヒーをこぼした』なんて噂が飛び交ったりしていた。結局打ち切りのような形でバーズでの連載は終了。最終巻の異様な薄さ、よく覚えてる。
そんな時期なのでアニメはアニオリ展開にせざるを得なかった。薔薇水晶is誰。どこまでが原作設定でどこからがアニオリ設定なのかひたすら混乱していた。銀様の腹部が空洞なのってアニメ設定?

オーベルテューレは2夜連続で放送された特別編。実は私はアリプロのローゼン曲では禁じられた遊びより聖少女領域よりこのOPの薔薇獄乙女が一番好き。
新版が始まる頃にはもう興味がなくなってしまったのでこちらは未履修。


まとめ


革命の06年×厨二病のコンボを浴びた同世代の皆様、お元気でしょうか。あの日々のこと、笑って話せますか?それとも…

私は割と内向的な患者だったので思い出したくもない黒歴史というのは幸いにもない。まあ年相応に「殺すよ?(暗黒微笑)」的な言動をしたりはしたが当時の友人は化粧も知らないすっぴんにペラロリを着て商店街を練り歩くなどの中々パンチのある黒歴史を量産していたのでアレに比べれば…という感じである。(大人になってからは当人にこのことを掘り返すとマジギレするので完全タブーとなった)

しかし、黒歴史がないということは卒業という名の治癒もないということである。20年も経てばもう不治の病として沈着してしまうのだ。アリプロも十字架も謎の鎖や安全ピンも当時好きだった漫画やアニメもすべて今でも大好きだ。これからも『†生涯厨二病†』をスローガンに生きていきたい。