喪女とピアス
アニメとか映画記事中々書き上がらないので。
針が好きだ。ピアスが好きだ。点滴が好きだ。注射も採血も好きだ。
シャブ中じゃないです。
無駄に体に穴が空いているタイプのただのイキリ陰キャです。無害です。
昔から好きだったわけではない。
それこそ幼児の頃は歳相応に予防接種の度に泣き叫び時には病院から脱走し親と看護師に捕獲されていた。
いつ何がきっかけで克服したとかは特にない。
注射打つときはガン見するタイプ。テンション上がりすぎて笑ったり震えたりするので看護師に「(いろんな意味で)大丈夫ですか?」と心配される。
シャブ中じゃないです。
ピアスの話に戻る。
子供の頃からなんとなく『大人になったらピアスを開けるもの』という認識があった。だが小学校に上がりたてで出会ったイタリア帰りの帰国子女の子が既に両耳ピアス開いていて驚愕した。
高校までは染髪ピアス禁止だったので卒業したら髪染めてピアス開けるぞ〜と意気込んでいた。
髪は卒業式翌日に染めた。しかし準備が必要なピアスはそうはいかなかった。
そうしてタイミングを逃したままズルズルときてしまい、気付いたら大学まで卒業していた。
意気込んでたくせに初ピアス22歳。遅すぎる。
決してビビってたわけでも忘れてたわけでもないが、『自分の性質上多分一回開けたら両耳一個ずつだけとはいかないだろうな』という予感があった。そこで若干躊躇していたところはあり、それは案の定的中することとなる。
現在、大体10個前後を維持している。
まだまだ増えたり減ったりする予定だが、一旦備忘録兼レポとしてまとめておきたいと思う。
(画像は)ないです。
※ピアッシングは医療行為です。セルフで行う場合は自己責任です。この記事を参考にした結果について当方はいかなる責任も負いません。
ロブ
・1回目(両耳一個ずつ)
記念すべき初ピアス…だが正直納得いっていない。
多くの人が口を揃えて言う『最初は病院でやってもらえ』を信じた結果、よくある『ピアッサー持ち込みで無料で開けてくれる病院』に行った。
クッソ斜めに開けられた。
無料というのはその程度である。カウンセリングなんぞもロクになく、予約の順番が回ってきたら部屋に入って看護師がガシャンガシャンと開けていく。
完全に流れ作業。ベルトコンベアの如し。
『病院でやってもらえ』というのは本来資格のある者しかできないピアッシングという行為をちゃんとした資格のある者にやってもらう=万一の場合のアフターフォローがきく、というメリットが得られるだけである。
医師や看護師がピアッシングが上手いとは限らない。自信あります!経歴あります!と謳っていてもハズレに当たることはある。
上述のメリットとかどうでもいいわって方はわざわざ病院行かなくてもピアス開けるの上手い友達とかが身近にいればその人にやってもらえばいいと思います。
私は二度と病院では開けない。
・3個目
『好きな人にピアスを開けてもらう』という憧れ、ありませんか?私はありました。
ほとんど生まれたときから共に過ごしてきた幼馴染がいる。
彼女は私にとって唯一の存在である。
恋愛ではない。かといって友情の証みたいな安っぽいものでもなく、漠然と『こいつにピアス開けてもらいたいな〜』と思っていた。
非常にイタくて文字にすると尚更恥ずかしいが、『大切な人に消えない傷を刻んでほしい』みたいなノリである。
というわけで、サシ飲み3軒目くらいの場末のバーで、徐にピアッサーを取り出した。(消毒用の除菌シートも持参)
客は我々以外には居らず、店主ものんびりと店仕舞い支度をしていたところだった。
彼女には事前に何も伝えていなかった。大層驚いていた。目の前の人間がいきなりピアッサーを取り出して「開けてくんね?」とか言い出したら当たり前である。
彼女は結構なビビりなのでやってくれるか一か八かだったのだが、結果きっちり綺麗に開けてくれた。
ファーストピアスは緑色。
5月生まれの彼女の誕生石、エメラルドの色。
しとしとと雨の降る夜だった。
書いてて我ながらエモすぎるエピソードだと思うんですがいかがでしょうか。
でも飲酒時にピアス開けるのはやめましょう。
・4&5個目
上記でロブが右2左1になったのでじゃあ右3左2にするか的なノリでセルフでサクッと。ここからはピアッサーは使わずニードル。
後々拡張とか含めるとロブは片耳3個が上限かな〜と思いつつももう一個くらいはいけるんじゃないかという思いも抱えている近況。
ヘリックス
・1回目(インダストリアル)
最初のロブが一応完成したところで次は軟骨いってみっか〜と思って色々見ていたら見つけたのがインダストリアル。
可愛い〜〜〜〜!!!!これにしよう。即決。
結論から先に言っておくがインダスは初心者向けではない。ましてや初軟骨でやる部位ではない。
インダスは二つのホールが完璧に平行に開いていないとすぐ肉芽等のトラブルになる。繊細なピアスだ。
セルフは無理。病院も信用できん。
というわけでピアススタジオでやってもらうことにした。
検索でも上位に出てくる某有名店で施術。一万円弱くらい。たっか!!と思う方もいると思うし正直自分も思ったが結果として技術料と考えると安いくらいだった。
ホールは完全に平行。普段メガネなのでメガネに干渉しないように、というオーダーにもきっちり応えていただいた。まさに神業。
ついでに得られた病院で買わされた消毒ジェルはホールに良くないからやめろというプロの意見。帰宅して即ゴミ箱にブン投げた。ピアスのアフターケアは石鹸とホットソーク、たまに膿んだらドルマイシン。それだけで充分。
そんな感じで一年経たないくらいで完成。
ここからは愚かな私の話。
いくら完成時が完璧でも、人体というのは日々変化していく。皮膚なぞターンオーバーにより尚更である。
当時はまだまだピアス初心者だった私は開けた日から常にストレートのロングバーベルを差しっぱなしにしていた。
元々ホールが塞がりやすい性質なのもあって風呂も寝るときもずっとつけっぱなし。
その間、約4年。
するとどうなるか?
日々僅かに、僅かに変化し、徐々に平行ではなくなっていく二つのホール。それを無理矢理ロングバーベルで繋ぐ。当然ホールに負荷がかかる。
気付いたら、1cmくらいの肉芽ができていた。
そんなデカくなる前に気付くだろ、と思うが14G差してるとピアスの質量で拡がって見えるだけだと思い込んでしまいがちなんだわ。
ロングバーベルを外し、シャフト10mmくらいの普通のストレートバーベルをそれぞれに差してみたら、
\ /
ホールの向きはこれくらいになっていた。
そんなわけでロングバーベルつけっぱなしはやめましょう。
それでもインダスは一生モノではないと思うが、一日でも長く維持したければ、完成したらたまには可動式バーベルとか独立したピアスにしてホールを休ませること。ババアとの約束だ。
クソデカ肉芽についてはほっとくか切除するか検討中。
余談だが私が開けた当時はインダスというのはまだまだ浸透しておらず人に見せると何ソレ!?みたいなリアクションをされたがここ数年で急速に知名度が上昇した気がする。ホール一つでインダスっぽく見せられるイヤーラップピアスなるものも登場し、二次元でもインダスつけてるキャラを最近すごくよく見かける。
世間がインダスの可愛さに気付いてしまったのが嬉しい反面ちょっと悔しい。
・3個目
インダスと反対の耳のよくある普通〜のヘリックスにブスリ。初セルフだったが上手くいった。今も健在。
・4個目(アンテナ/未遂)
横のインダス完成したら次縦に開けてクロスにしたい!という†野望†があった。
のでとりあえず上を開けて、完成したら位置調整しつつ下を開ける予定だった、のだがどうにも完成しなかった。
ケアはちゃんとしていたつもりだがやっぱり髪が引っかかりやすい部位であり横位置のヘリックスよりは難しいことを学んだ。
でもまだ諦めていない。
・5個目(フォワード/失敗)
トラガスの上あたりに開けてみようとしたが、耳側から刺した針先がほぼ顔の皮膚から出てきたのでそのまま抜き去って手当てして終了。内側に刺しすぎた模様。
・6個目(アウターコンク/未遂)
失敗ばっかじゃねえかって感じだがぐうの音も出ん。
開けるときも綺麗に開いて目立ったトラブルもなかったのだが一年経ってもどうにもグジュグジュしたままだったので抜去。
敗因が未だによくわからないのだが可能性としてはファーストピアスにラブレットを使用したのが原因か。
髪やメガネが引っかからないようにラブレットにしてみて、実際引っかかりに関しては快適だったのだがやはりあの円盤状の部分に汚れが溜まりやすいのだろうか。
こないだリベンジした。今度は普通のストレートバーベル。経過観察中。
・7個目(ダイス)
これまた一目惚れだがセルフは無理なので再びインダスやってもらったスタジオで施術。
相変わらずの神業。プロしか勝たん!
可愛さは保証するが少なくとも安定するまではイヤホンがつけられなくなる(ヘッドホンも避けた方がいい)のでNo music,No lifeな方は慎重に。
サーフェイス
ここからはサーフェイス(皮膚表面のピアス)。これらは耳のように貫通するのではなく皮膚表面を潜らせる性質上安定はしない。日々のターンオーバーにより少しずつ排除されてくる。そんな刹那的なところが愛しい。
・1個目(指)
そうだ、指開けよう。なぜそう思ったかは覚えてない。
不治の爪噛み癖によりネイルとは無縁の人生だった。しかしこれによりネイルする人の気持ちがめちゃくちゃよく分かった。
指先がカワイイの、めちゃくちゃ幸福感高い。
ピアス開けるまで指先ってこんなに目に入るものなんだと気付かなかった。
仕事中PCカタカタしてても、家でスマホいじってても、常に目に入っては、「ふふ、カワイイ…」と悦に浸れる。
一番気に入った部位かもしれない。
排除までは約2週間弱。儚い。
開けるのも結構大変である。
書類クリップの小さいやつでなんとか指の肉?皮?を摘み上げて、刺す。ピアスは10mmシャフトのバナナバーベル。
クリップで挟まれる痛みの方が痛いし痕も中々消えない。あと何よりキャッチ嵌めるのが大変。この作業だけでも人にやってもらった方がいい。私の場合ドルマイシンでヌルヌルの状態でなんとか付けたと思ったら翌朝起きたらキャッチがベッドの上に転がってた。
ちなみに指に開けると寝るときの姿勢がもれなく『止まるんじゃねぇぞ…』になります。キボウノハナー
このときは中指に開けたのだが小指開けてみたい!と思ってこないだチャレンジしてみたが指太い方な私でも無理だった。18G8mmバーベルでも無理だった。
そもそもクリップで摘めるだけの肉がない。男性ならいけるかも。
余談。
普通の人は『指にピアスを開ける』という発想がないので意外と気付かれない。認知バイアスも加わって指輪に見えるらしい。言うまで気付かない人もいるし、「え、それってもしかして刺さっ……うわぁ……」となる人などリアクションが多種多様で面白い。
・2個目(鎖骨)
未だによくわかってないんだけどマディソンって鎖骨中央だけを指すのか?左右の鎖骨もマディソンって呼んでいいの?
まあ鉄板やろと思って右鎖骨の下あたりにブスリ。
鏡見ながらな上これまたクリップで肉が摘みにくく(肉だけに)、刺す前に何度もクリップが飛んでった。
開けるの大変な割に排除が爆速すぎる。一週間くらい?刺しが浅かったのもあるかもしれないが4日目くらいには既にシャフトが浮いて見えていた。
サーフェイスは目立つかはともかく刺し傷のような痕が残りやすいが鎖骨の痕は半年くらいで消えた。
・3個目(手首)
手首切るくらいならピアス開けようぜ!
外側か内側か迷って内側にした。
開け方もキャッチの付けづらさも概ね指と同じ。
綺麗に開くとマイクロダーマルっぽさもあってカワイイ。
ちなみに埋め込み系はMRI受けられなくなるという虚弱人間には文字通りの死活問題という壁があるのでやりたいけどできない。サーフェイスで我慢。
こっちは逆に排除が遅すぎた。
全然浮いてこねえ。
半月超えても排除の傾向すらなく大丈夫?このまま癒着しない??って段々不安になってきて結局自分で外した。あのまま付けてたらどうなってたんだろう。
めちゃくちゃ間隔長いやつがいいとかでなければわざわざサーフェイスバーベルじゃなくてもバナナバーベルでいい。自分の場合確か16G12mmくらい。
手首開けるときふと思ったのだがコルセットピアスってどうなんだろう。
知名度の割には実際にやってる人は少なく、画像検索してもフェイクのタトゥータイツみたいなのばかり出てくる。
がっつり編み上げの形にしなくても、手首の左右に一対ずつ開けて間にリボンとかチェーン通したら可愛いんじゃないか?と思ったのだ。
が、同時にサーフェイスにCBRとかフープピアスってどうなのよ?という考えがよぎった。
多分これがコルセットピアスやる人が少ない理由だと思う。
バナナバーベルよりカーブきついピアスをサーフェイスに通すとか排除速度はお察しだし冗談抜きで引っかけたら皮膚ごと持ってかれるし単純にいっぱい開けなきゃいけないし。
いくら短期間のオシャレでもコスパ悪すぎるよなぁ。フェイクで充分というのは真理かも。
なぜピアスを開けるのか
ピアスが好きというのはもちろんだが針ジャンキーだからです。
私の周りのピアス多めな方々は割と病んだりイライラしたときに開ける人が多い。対して私は基本的に元気なときなんか楽しくなっちゃったとき、ようはハイで躁なときに勢いで開ける。
病んでるときに開ける人の気持ちも分からなくはない。ようは無駄に手間のかかる自傷である。でも上でも言ったけど手首切るよりは健全でいいと思う。残るものもあるし。でも私は病んでるときにニードルとピアス消毒して軟骨やら用意して…って気力はない。
今後の展望
上記箇所のリピートとトラガス、ヴァンパイア、インナーコンク、拡張…あたり。
よく舌は?と聞かれるが口周りは開ける気はない。なぜならごはんをおいしく食べたいので。スクランパーとかかわいいけどね。
最後に昔話をひとつ。
かつてあった原宿のピアスショップを物色していたときのこと。
おそらく還暦は超えているだろう老夫婦が店主と談笑していた。
お二方はゴリゴリのパンクファッションに身を包み、それぞれ耳だけで20は超えるであろう数のピアスが開いていた。
超カッケェと思った。
人によってはイタい老人にしか見えないかもしれないが、どれだけ歳を重ねても自分の好きなスタイルを貫く姿勢に感服した。それも夫婦で。(もしかしたらただの趣味仲間かもしれないが…)
己のスタイルを貫くことは難しい。特にファッションに関しては常に老いとの闘いである。
それでも自分のしたいファッションを貫くために努力をしている人は何歳でも美しい。
若さにかまけてすっぴんボサ髪でロリィタを着て大口開けてゲラゲラ笑っている若い子よりも、シワやシミを隠しきれなくても洋服に負けないメイクにこだわりのウィッグ、体型の維持、所作にまでこだわってロリィタを纏うおばあちゃまの方が私はかわいいし美しいと思う。
http://www.moae.jp/comic/complexage/0/1
この手の話をする度に思い出すのがこの『コンプレックス・エイジ(読切版)』。
『加齢に悩む34歳のゴスロリ女』でバズった作品、と言うと思い出す方もいるかもしれない。
読切版の主人公、佐和子は老いていくたびにゴスロリを纏った自分の姿が理想から離れていくことに耐えられなくなり、ゴスロリを手放した。
ややネタバレになるが、連載版ではこの佐和子の娘が主人公でコスプレイヤーとしての理想と現実に悩む、という話なのだが、読切版で佐和子の友人として出てきたノリも終盤で出てくる。
『お母さん(佐和子)が辞めても今でもずっとゴスロリを着ている友達』として。
還暦を超えたノリは和服をゴスロリ風にアレンジして纏い、優雅に佇む女性になっていた。
さすがにこの歳では真っ黒なフリフリワンピースは着れなくなってしまったが今は今で概ね満足、という様子。佐和子のように思い悩むこともあったが、自分にとってはゴスロリが一番だった、と語る。
まあそれもありよね、と思った。
笑われようとも後ろ指をさされようとも意地でも昔からのスタイルを貫くか、好きなテイストを取り入れつつ今の自分の身の丈に合わせていくか。どちらも間違いではない。大切なのはスタイルを貫く努力とTPOを守ること。
この先もピアスをやめる気はないし、ガチャガチャした耳に合わせたガチャガチャした服も好きだ。
25過ぎたあたりから「もう着れないな…」と思う服が出てきた。
でも30目前になり一度はもう着れないと思ったアルゴンキンやナオト系に一周回って出戻りかけている。あれぇ……?