喪女と見る鬱映画〜エスター〜

 

続編『Orphan: First Kill』、23年3月公開決定!!

 

やっと情報出た。コロナ禍もあってずっと続報なかったから頓挫したのかと不安だった。同じ時期に初報出て同じような状態にあった『マッドハイジ』もちょっと前に動いたと思ったらweb先行配信。映画館で見たいよ!!


今回はもうネタバレとか今更だと思うので視聴済みの方向け全開の記事です。

 


とりあえず今めっちゃ焦ってる。
2回観たのだが、初視聴時はいつも通り吹替で観て、こないだ続報が出て見返すか〜と思って年末に作業用BGMとして半分垂れ流しで観た。もちろん吹替。


つまりは字幕版を観ていないのだ。
それで何で焦るかというと。

 

 

大人が演じる『子供』の最大の壁

続編の最大の話題ポイントは何より『現在25歳となったエスター役のイザベル・ファーマンが再び9歳のエスターを演じる』ことなのは言うまでもないだろう。

実際無印でエスターの実年齢が判明した後の当時9歳のイザベルはメイクと本人の演技力もあって本当に30代の女に見えるから凄い。

情報開示当初は「大丈夫なの?さすがに無理ない?」という声が噴出したが当時からメイク技術も撮影技術も飛躍的に向上した今、25歳を9歳に見せることはそれほど難しいことではないのかもしれない。

しかし、見た目はクリアしてもどうしても解決できない問題がある。


『声』である。

 

『大人が演じる子供の声』というのはやはり実際の子供の声とは違う。どんなに上手いベテラン声優でもやっぱり何か違う。

 

昔やたらめったらゴールデンタイムにアニメ・アニソン特集が組まれ、声優がゲストとして呼ばれてイジられる時期があったが、その中のひとつに出演していた『トトロ』のメイ役の坂本千夏氏が、「セールスとかめんどくさい系の訪問が来たらメイの声で『お母さん今いないのでわかりません!!』と追い返していた」なんてエピソードを語っていたのを思い出した。
確かに一瞬なら騙せると思う。しかし聴き続けるとやっぱり違うなぁとなるのが『大人子供』である。

逆の例も挙げる。サンホラこじらせていた高校生時代、待ちに待った新譜Märchenをワクワクしながら聴いていたときの話。オカマな女将のじまんぐに爆笑したその直後、流れてきた澄んだ歌声。


「子供!?いやでも上手い……!?」


歌声の主は今や人気声優となった黒沢ともよ氏。当時14歳。この時点で歌も台詞も抜群に上手かったので14歳だと知ったときはひっくり返った。そしてやはり本物の子供の声はやっぱり違うなと思ったのだった。

 

いくら子供役が上手い声優でもそれはあくまで『ロリ声/ショタ声』であり、それは我々も無意識的に認識しているのだ。

 

話を戻す。つまり私は『9歳のイザベル・ファーマンの声』をまだ聞いていないのだ。
劇場で観るときはさすがに字幕を選びたいと思うので早急に無印字幕版を3回目として観なければいけない。だから焦っている。
仮に続編エスターの容姿が完璧だったとしても『声』は果たしてどうなのか。そこが気になって仕方ないのだ。

 

『倒せる怪異、エスター』

散々続編、と言ってきたが続編は無印の前日譚である。なぜなら無印ラストでエスターは無事死亡したので。

ホラー、特に続編作る気満々の作品は大体『解決したようで実は…』というオチが多い。霊なら誰もが忘れていたサブキャラにちゃっかり取り憑いていたり、人怖系なら元凶の思想を引き継いだ人間が動き出したり。

様々な家庭を引っ掻き回し殺し崩壊させてきたエスターことリーナだが、彼女は怪異でもなんでもないサイコパスなだけの人間である。偽の証拠をでっち上げるためだけに万力で自分で自分の腕をへし折るガッツはあるが致命傷を与えれば普通に死ぬ。というか死んだ。

『死体が出ないのは生存フラグ』とはよく言うが凍った池に丁寧な起き攻めを食らいつつ沈んでいき、最後の最後で池の縁にヒタ…と手が現れるなんて演出もなかったのでまあ死んだと見ていいだろう。とりあえず当記事ではそうする。

一定規模の野望を持った悪役というのは自分が死んでも計画がポシャらないように周到にサブプランを用意しているものである。
しかしリーナにはそれはなかった。なぜなら彼女の目的は彼女だけの欲望だけに終始するからである。そもそも用意する必要すらないのだ。

 

それでも既に7人殺して何回も失敗してるのは彼女がサイコパス故なのか無能なのか。

上手いことロリコン親父に取り入れば『女として愛される』という目的は達成できそうなものだがそれじゃダメなんだろうなぁ。リーナは(仮に自分を見る目が女としてであっても)幼女として愛されたいのではなくあくまで30代の女として幸せになりたいのだろう。だからあえて養子として自分と同年代の夫婦の家庭に潜り込み、あわよくば夫を寝取ろうとする。

殺人に対しての躊躇の無さは単純に殺人衝動を抱えているか証拠隠滅の一貫なのか。にしても本編の無能パパの殺し方の雑さを見るととっくに捕まっててもおかしくないもんだが。

 

そのへんも前日譚で明らかになると嬉しい。


初心者にオススメのホラー映画

上述の通り(現時点で)一作完結・後味スッキリ(当社比)、グロ少なめ・ジャンプスケア少なめ。

ジャンプスケアは当方も苦手なのでここに関してはすごく勧めやすいと思っている。『じっとりした怖さ』系ではヘレディタリーも好きなのだがあれは一番グロいシーンが不可避のタイミングでやってくるのでちょっと勧めにくい。ていうかエスター観たすぐ後にヘレディタリー観たんだけど舞台が『田舎のだだっ広い豪邸withツリーハウス』と全く同じで笑った。あと鳥が死ぬのも。お約束なんか?アリアスター作品の記事もそのうち書きたい。

 

『ホラー、あんま得意じゃないけど興味はある…』くらいのホラー映画ルーキーにはちょうどいい塩梅なのではなかろうか。
ホラーダメって言ってる人には無理に観せるのはやめよう。

 

どうなる続編

とまあ今のところはワクワクなのだが約2年の沈黙を破って遂に出た超特報()ティザームービーが、


これ。


短いよ!!!!!!
あんまり短いとエスターのビジュアルはじめお粗末な出来になってしまったのか心配になるよ!!!!

とはいえ海の向こうの視聴済勢からボロカスに叩かれる声は今のところ私のインターネッツには飛んできていないのでできるだけワクワクをそのままに公開を待ちたいと思う。